ちょっと天皇杯について考えてみました

昨日、シャトルバスに乗って、いつも通りバックスタンドから入場。いつもの場所に座ろうとして気づいたんですが、座席が綺麗じゃない。FC東京運営の試合じゃないので、当たり前なんですけどね。FC東京運営の試合では、試合前にスタッフ、ボランティアの方たちが、座席を綺麗にしてくれていることは知っていましたが、いつも綺麗なので、ついつい忘れていました。当たり前に思っていることが、決して当たり前じゃない。色んな人たちの努力の積み重ねによって、その「当たり前」が実現されていることに改めて気付き、そして感謝する次第です。


その一方思ったことは、普段見ているJリーグと異なる天皇杯は、サッカーファンにどういった楽しみを提供しようとしているのか。昨日の試合で言えば、異なるカテゴリーに属するチーム同士の対戦がまずそれでしょう。(いわゆる1部リーグと4部リーグ同士の対戦。) ただ、それ以外の点では、一般のサッカーファンに訴える要素は極めて少ないというのが現実でしょう。日常、Jリーグ(つまり1部リーグや2部リーグ同士の対戦)では、試合そのものの演出はもちろんのこと、それ以外の面でもファンを引き付ける企画やスタジアムグルメの提供といったことをしています。そういった努力もなしに天皇杯を魅力的な大会に出来るんだろうか、そう思った次第です。試合運営が各都道府県のサッカー協会であっても、Jリーグチームがある都道府県であれば、チームに協力要請し、そのノウハウを学べばよいんではないでしょうか。たとえ、その都道府県にJリーグチームがなくとも、対戦相手であるJリーグチームに運営の協力をお願いし、少しでも盛り上げる努力をした方がよいのではないかと。おこがましい考え方かもしれませんが、それはJリーグ入りを目指すチームにとっても有益な交流になるんだと思いますが。


例えば、FC東京ザスパ草津は長崎で第3回戦を戦います。当然、長崎県サッカー協会が主催する試合ですが、ここにFC東京ザスパ草津の普段の試合運営のノウハウを伝え、また長崎県サッカー協会(もしくはV・ファーレン長崎)も長崎ならではの企画をすることで魅力的な試合になるのではないかと。そう妄想したりするわけです。長崎県サッカー協会とV・ファーレン長崎はプロチームの試合運営を学び、FC東京ザスパ草津のサポーターは長崎を堪能し(笑)、そして彼らに加え、長崎県のサッカーファンに上質なエンターテーメントとしてのサッカーを提供する。そういったことを実現するのが、天皇杯の目指すべきところではないのかと。
もちろん、それを実現するためには、Jリーグの各チームへの負担も当然ながら、各都道府県のサッカー協会に、これまで以上の努力が必要となります。ただ、もしも実現できたら、どんなに素晴らしいことなんだろうかと。そう思いながら昨日は帰路につきました。